西部総合病院
百村 伸一 院長
東京大学医学部卒業。ハーバード大学Beth Israel病院研究員、自治医科大学附属さいたま医療センター長、さいたま市民医療センター院長などを歴任。循環器内科を専門とし、長年にわたり心不全診療・地域医療の発展に携わる。2025年より西部総合病院院長に就任し、急性期医療から在宅医療まで切れ目のない地域包括ケアの実現に取り組んでいる。
循環器内科医として長年第一線で診療・研究・病院運営に携わってきた百村院長。
高齢化が進む地域において、病院だけでは完結しない医療の必要性を感じ、現在は訪問診療にも力を注いでいます。専門医として感じる訪問診療の魅力や難しさ、そしてこれから地域医療に携わる医師への思いを伺いました。
Q. 訪問診療に取り組まれるようになった背景を教えてください。
高齢化の進展に伴い、病院への通院そのものが困難となる患者さんは確実に増えています。
私自身、西部総合病院へ赴任してから高齢の患者さんを診療する機会が多くなり、「病院で患者さんを待つ医療」だけでは、地域の医療ニーズに十分応えることは難しいと感じるようになりました。
そのような中で重要になるのが、医療者が患者さんの生活の場へ赴き、継続的に診療を行う訪問診療です。
循環器内科の立場から見ても、高齢化とともに増加する心不全患者さんを地域で支える医療体制の構築は、今後ますます重要になると考えています。
Q. 地域医療において、訪問診療はどのような役割を担うとお考えですか。
最大の強みは、西部総合病院を中心とした医療・介護ネットワークを活用できることです。
病院での急性期治療から在宅療養までを切れ目なくつなぎ、患者さんが住み慣れた地域で安心して生活を続けられるよう支えることが、本来の役割だと考えています。
今後、高齢患者がさらに増加する中では、病院完結型ではなく、地域全体で患者さんを支える医療体制への転換が求められます。
その中心的な役割を担うのが訪問診療だと考えています。
Q. 西部さくらクリニックの訪問診療ならではの強みを教えてください。
訪問診療は、単に自宅へ診察に伺う医療ではありません。
訪問診療中に患者さんの状態が変化した場合でも、必要に応じて西部総合病院で速やかに受け入れる体制があります。
また、訪問看護、ケアマネジャー、地域包括支援センターなど、多職種との連携体制も整っています。
急性期から在宅医療までを一つのグループで支えられることは、地域医療を実践する上で大きな強みだと考えています。
Q. 専門医として、訪問診療の難しさはどのような点にあると感じていますか。
訪問診療では、病院のように画像検査や血液検査を前提とした診療はできません。
そのため、問診や身体所見から病態を評価し、限られた情報の中で適切な臨床判断を行う力が求められます。
また、高齢患者では循環器疾患だけでなく、認知症や腎機能障害、整形外科疾患など複数の課題を抱えていることも少なくありません。
専門領域だけで完結することは難しく、患者さん全体を診る総合診療の視点が必要になると感じています。
Q. 地域医療に携わる中で、総合診療の重要性を改めて感じられたそうですね。
私はこれまで循環器内科を専門として診療を続けてきました。
しかし、地域医療では「循環器だけ診る」という考え方では十分ではありません。
患者さん一人ひとりが抱える疾患や生活背景を総合的に捉え、その方にとって最善の医療を考えることが求められます。
専門性を深めることはもちろん重要ですが、それに加えて幅広い診療能力を磨き続ける姿勢が、これからの医師には必要だと考えています。
Q. これから訪問診療に携わる医師には、どのような資質が求められるでしょうか。
専門分野を持つことは大切ですが、それだけでは地域医療は成り立ちません。
患者さんを疾患単位ではなく、一人の生活者として総合的に診る姿勢が重要です。
また、訪問診療では医師だけで医療は完結しません。
看護師やケアマネジャー、リハビリスタッフなど、多職種と連携しながら診療を進めていくことが不可欠です。
常に学ぶ姿勢を持ち、チーム医療を大切にできる先生と一緒に地域医療を支えていきたいと思っています。
Q. 最後に、診療において最も大切にされていることを教えてください。
医師として最も大切なのは、患者さんにより良い医療を提供し、その人らしい生活を支えることです。
その積み重ねの中で、患者さんやご家族から「ありがとう」という言葉をいただけることは、医師として何よりの励みになります。
これからも急性期医療から在宅医療まで切れ目のない医療を実践し、地域に信頼される医療機関であり続けたいと考えています。
地域医療の最前線で、専門性をさらに広げてみませんか。
西部さくらクリニック(西部総合病院)では、急性期医療から在宅医療までを一体的に支える体制のもと、専門性を生かしながら総合診療力を磨くことができます。
地域包括ケアの実践に携わりたい先生、訪問診療を通じて新たなキャリアを築きたい先生は、ぜひ募集要項をご覧ください。