新しい職場を探して求人に応募しようとしたものの、履歴書の志望動機をどのように書けば良いか悩んでいませんか。いざ書類を作成しようとしても、適切な言葉が思い浮かばず手が止まってしまうことも多いものです。
この記事では、医師が求人を応募する際に使える志望動機の例文を解説します。また志望動機の内容でよくある失敗とその対策もまとめました。ぜひ履歴書作成の参考にしてください。
【例文紹介】医師の志望動機
履歴書や職務経歴書の志望動機は、採用担当者に「どうしてここで働きたいか」という熱意を伝える項目です。面接の場でも志望動機をベースに質問が行われる傾向があるため、しっかり自分の言葉で説明できるようにしておくことが求められます。
まずは志望動機の具体的な例文を紹介します。いくつかのパターンを用意したので、自身の経歴や目指すキャリアと照らし合わせながら、アレンジして活用してください。
キャリアアップを主軸とした例文
貴院を志望いたしましたのは、○○センターにおいて年間○○件以上の△△治療を手がけられ、難治性症例にも積極的に対応されている点に大きな魅力を感じたためです。
私はこれまで一般病院の循環器内科にて、主に虚血性心疾患の急性期管理や薬物療法を中心に臨床経験を積んできました。多くの症例に向き合う中で、より専門性の高い高度な△△治療の技術を習得し、医師としての専門性をさらに深めたいという思いが強くなりました。
これまで培ってきた全身管理の視点や、迅速な急性期対応の経験を活かし、貴院の診療体制に即戦力として貢献しながら、より質の高い医療を患者様に提供できるよう邁進する所存です。
若手医師向けの例文
貴院を志望いたしましたのは、地域医療の中核として豊富な症例数を有し、救急から慢性期まで幅広い疾患に対する診療体制を整えられている環境に強く惹かれたためです。
私は初期研修において各科をローテーションする中で、プライマリ・ケアにおける初期診断と適切なトリアージの重要性を学び、当直帯の急性期対応にも積極的に取り組んでまいりました。多様な症例が集まる貴院の環境のもとで、さらに臨床推論の精度を高め、医師としての臨床能力をより強固なものにしたいと考えております。
持ち前のフットワークの軽さと、徹底した事前準備の姿勢を活かし、日々の病棟管理や夜間当直業務にも全力でコミットし、いち早く貴院の戦力となれるよう業務に邁進いたします。
▼ポイント
学びたい意欲を示すのは大切ですが、「勉強させていただく」という姿勢が前に出すぎると、採用側に受け身な印象を与えてしまいかねません。当直や病棟管理など、今の自分が貢献できる業務に全力でコミットする姿勢を伝えるのが、好印象を与えるコツです。
非常勤求人に応募する場合の例文
貴院は○○診療に力を入れられ、地域のかかりつけ医として幅広い年齢層の患者様を長年にわたり支えてこられた点に魅力を感じ、志望いたしました。
現在、大学病院にて○○分野の臨床および研究に従事しており、日頃から最新のガイドラインに則った標準的医療の実践を心掛けております。
非常勤という限られた勤務時間ではございますが、これまで培った確実な初期診断能力を活かし、貴院に足を運ばれる患者様の日常的な不調や慢性疾患の管理に責任を持って対応いたします。また、スタッフの皆様との円滑なコミュニケーションを大切にし、貴院の診療体制を支える一員として、丁寧で安心感のある医療の提供に努めます。
▼ポイント
非常勤やスポット勤務では大学病院などの肩書きよりも、「目の前の外来をトラブルなくさばけるか」が重視されます。研究内容をアピールするよりも、ガイドラインに沿った標準医療や確実な初期診断能力を伝え、現場を任せられる安心感を示すのがコツです。
総合診療医を志望する場合の例文
これまで内科を中心に、○○科や△△科でも研修を重ね、特定の臓器にとらわれない幅広い診療能力の習得に努めてまいりました。診療を通じて、患者様一人ひとりの生活背景まで考慮した全人的な医療を実践したいという思いを強く抱くようになりました。
貴院を志望いたしましたのは、総合診療科が地域のプライマリ・ケアの拠点として年間○○件以上の初診患者様を受け入れ、専門科とも密に連携しながら診断にあたられている点に魅力を感じたためです。
入職後は、患者様一人ひとりに寄り添う診療を心がけるとともに、地域の介護施設や訪問看護ステーションとも積極的に連携し、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる医療体制づくりに貢献したいと考えています。
医師の志望動機の書き方のポイント
採用担当者の目に留まる志望動機を作成するには、いくつかの重要なポイントがあります。自身の希望だけでなく、応募先のニーズと合致している内容を盛り込むよう心がけましょう。
応募先の情報をリサーチする
志望動機を書く前段階として、応募先の医療機関について深く知る作業が不可欠です。応募先が求める医師像などを読み解き、自身の強みとどのようにマッチするかを考える材料にするためにも、以下の情報源を活用しましょう。
医療機関のWebサイト
Webサイトに掲載されている理念や方針を確認し、病院が目指す方向性を理解します。各診療科の特色や、導入されている最新の医療機器や治療技術なども重要な情報源となります。
第三者による情報
同僚や先輩などの人づての情報もリサーチ方法として活用できます。人づての情報収集は応募先機関の情報が分かるだけでなく、入職後のミスマッチの回避にも有効です。現場の雰囲気や具体的な業務内容、人間関係なども事前に把握しやすくなります。ただし主観が混じっていることもあるため、鵜呑みにしすぎないよう注意しましょう。
医療機関や医局の見学
Webサイトからの情報収集に留まらず、「医療機関や医局を見学させてもらう」ことで、現場のリアルな実態を確かめます。「応募前に見学なんてできるのか」と思われるかもしれませんが、医師の転職ではミスマッチを防ぐために、書類提出前のカジュアルな見学を歓迎するケースが多いです。
エムステージが実施したアンケートでも、事前の見学を勧める意見が複数集まりました。
▼実際の医師の声
「業務内容を細かくイメージできるくらいの情報を得てから行動すると良い(病院によって求められるスキルが違うため)」(50代・クリニック・診療)
「大病院や基幹病院では難しいでしょうが、民間病院へ転職する場合はトップの考え方や人となりは確認しておいた方がいいと思います」(50代・一般病院)
「当直表、院内採用薬リスト、薬剤申請書の形式、入職時オリエンテーションのプログラムがあるか、医局担当の事務職員(秘書さん)がいるかなどを確認する」(50代・一般病院)
将来のビジョンを伝える
応募先の情報をリサーチした後は、自身の将来像と結びつけて志望動機を組み立てていきます。応募先で勤務する上で達成したいことを明確に記載しましょう。
また、医療との向き合い方などの熱意もアピールすることが重要です。なぜその病院でなければならないのか、どのような価値を提供できるのかを論理的に伝えます。これまでの経験で培ったスキルを応募先でどう活かすか、具体的なイメージを持たせることがポイントです。熱意とビジョンが伝わるような文章を心がけましょう。
医師の志望動機のよくある失敗と対策
志望動機を書く際、陥りがちな失敗パターンがいくつか存在します。ここでは、よくある失敗例とその具体的な対策を見ていきましょう。
志望の理由が明確に伝わらない
どの医療機関にも当てはまるような抽象的な内容になっている場合、「ここでなくても良いのではないか」と思われてしまうおそれがあります。「地域医療に貢献したい」「貴院の理念に共感した」といった言葉だけでは、せっかくの本気度も伝わりづらいです。どこにでも提出できるような文章になっていないか、提出前にしっかりと見直すようにしましょう。
内容を具体的にするには、リサーチした応募先の情報を活用します。Webサイトや求人票から得た情報を盛り込み、自分との接点を見つけて強調すると良いです。
(例)「貴院の○○センターが年間○○症例を手がけ、△△学会で発表された××治療法に特に興味を持ちました」。
応募先への貢献意欲が伝わらない
年収アップや勤務時間、福利厚生など条件面を直接記載し、条件面を押し出した内容は避けるべきです。非常勤やスポット勤務を探す上で条件面は重要ですが、労働条件を志望動機のメインにするのは適切ではありません。
また、自身のスキルアップを目的とした内容なども注意が必要です。自身の希望を伝えることも重要ではありますが、そればかりでは応募先から「貢献意欲が低い」「医療への熱意が感じられない」といった印象を持たれてしまうおそれがあります。病院側は自院に貢献してくれる人材を探していることを忘れないようにしましょう。
このような失敗を防ぐには、自分の成長や条件面だけで終わらせるのではなく、病院や患者さんにどのように貢献するのかを記載すると良いでしょう。働き方の希望を伝える際も、病院側のメリットとなる表現に変換します。「ワークライフバランスを保つことで長く働き、長期的に地域医療に貢献したい」などの表現が適切です。
医師の志望動機作成のポイントと例文のまとめ
この記事では、医師の志望動機の書き方や例文、よくある失敗と対策について解説しました。
非常勤やスポット勤務を希望する場合でも、応募先の医療機関をしっかりとリサーチし、自身のビジョンと結びつける作業が欠かせません。条件面ばかりを前面に出すのではなく、病院や患者さんへの貢献意欲を具体的に伝える姿勢が重要です。
まずはこれまでのキャリアを少しずつ整理して進めれば、納得のいく志望動機が作成できるはずです。自身の経歴や熱意を適切に表現し、理想の働き方を実現できる職場を見つけてみてください。