「転職したいけれど、いつから動けば希望の時期に間に合うのだろう」と悩む医師は少なくありません。
医師の転職は、一般企業よりも準備に時間がかかります。情報収集から入職まで3〜6か月が目安で、医局所属者はさらに長い期間が必要です。
この期間の差を知らずに動き出すと、「気づいたら希望の入職月に間に合わない」という事態になりかねません。
本記事では、入職希望日から逆算する医師転職のスケジュールや、退職・退局を申し出る時期、求人が増える4月・10月入職から逆算する考え方を、エムステージエージェントの会員医師アンケートも交えて解説します。
<本記事のまとめ>
- 医師の転職は情報収集から入職まで3〜6か月が目安
- 入職希望日をゴールに6か月前〜入職後で逆算する
- 退職の申し出は病院1〜3か月前・医局半年〜1年前
- 求人が増える4月・10月入職に合わせると逆算と噛み合う
医師の転職にかかる期間は「3〜6か月」が目安

医師の転職は、情報収集を始めてから入職するまで一般的に3〜6か月かかります。
一般企業の転職(1〜2か月程度)より長く、この差を知らずに動き出すと「気づいたら間に合わない」という状況になりやすいので注意してください。
実際に、エムステージエージェントの会員医師アンケートでは、転職活動を始めてから入職までの期間が「半年以内」だった医師が55.1%(3か月以内32.7%+6か月以内22.4%)でした。半年以内で転職先を決める医師が半数を超えることがわかります。
Q:今回の転職活動を始めてから入職までの期間はどれくらいでしたか?

出典:【調査】医師の転職活動にかかる期間と手順(Dr.転職なび/エムステージエージェント・会員医師98名・2021年11月調査)
そのため転職スケジュールは「入職したい時期」をゴールに置き、そこから逆算して動き出す時期を決めるのが基本です。例えば4月入職を目指すなら、前年の10月ごろには情報収集を始める計算です。
ただし、医局所属の有無・診療科・後任の確保しやすさによって、必要な期間は変わります。医局所属や条件次第では、半年〜1年を見込むこともあります。6か月はあくまで目安として、余裕を持った計画を立てましょう。
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入職希望日から逆算する医師転職の流れ

入職希望日を起点に、各工程をいつ始めるかを時系列で押さえましょう。
下記は標準的な常勤転職の逆算モデルです。面接・退職交渉・引き継ぎなど相手のある工程は、前後する前提で読んでください。
逆算の全体像は、次のとおりです。
- 【6か月前】情報収集・求人応募・応募書類の準備
- 【4〜5か月前】面接・病院見学・内定
- 【3か月前】退職・退局の申し出と退職交渉
- 【1〜2か月前】現職での引き継ぎ・後任確保
- 【入職後】新しい職場での引き継ぎ・適応
【6か月前】情報収集・求人応募・応募書類の準備
まずは希望条件を整理し、求人を探し始めます。
年収・勤務日数・当直/オンコール・診療科・施設タイプ・エリアといった条件を洗い出し、医師専門の求人サイト・エージェントで募集を確認してください。
応募書類も早めにそろえます。履歴書・職務経歴書に加え、医師免許証の写し・専門医/認定医の資格証明・健康診断書など、医師特有の書類を求められることがあります。
第一志望以外にも複数応募して比較材料を持つと、条件を客観的に判断しやすいはずです。
【4〜5か月前】面接・病院見学・内定
書類選考を通過したら、面接と病院見学に進みます。
医師の場合は院長・事務長との面談や施設見学がセットになることが多く、内定通知は面接後1週間〜1か月程度が目安です。
複数の医療機関を受ける場合は、面接日と返答期限を一覧にして対応漏れを防ぎましょう。
提示された年俸・当直回数・業務範囲に不明点があれば、返答期限までに確認・交渉します。
【3か月前】退職・退局の申し出と退職交渉
遅くとも3か月前には、直属の上司へ退職の意思を伝えるのが目安です。
患者の引き継ぎや診療体制の調整に時間がかかるため、ギリギリの申し出は避けてください。
ただし、勤務先が病院か医局所属かで、申し出に必要な時期は大きく変わります。
引き留めに備え、退職理由は前向きで簡潔にまとめ、転職先を確定させてから交渉に臨んでください。
【1〜2か月前】現職での引き継ぎ・後任確保
退職日が固まったら、引き継ぎに移ります。
担当患者が多い場合や一人診療科の場合は、後任の確保から始まり、想定以上に時間がかかることがあります。
カルテ・サマリーの整理や患者への説明を丁寧に行うことが、円満退職への近道です。
引き継ぎは、後任医師にとって大きな負担になりやすい工程です。エムステージエージェントの会員医師アンケートでは、過去に受けた引き継ぎに「不満を感じた経験がある」医師が60.9%にのぼり、最も多い不満は「カルテ記載が不十分だった」ことでした。
Q:異動や退職をする方からの引継ぎで、不満を感じたことはありますか?

出典:【事例で紹介】退職時トラブルを回避する「引継ぎ」のポイント(Dr.転職なび/エムステージエージェント・会員医師348名・2023年1月調査)
後任を困らせない引き継ぎには、余裕を持った計画が欠かせません。
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【入職後】新しい職場での引き継ぎ・適応
入職後も、前任者からの引き継ぎや院内ルールの把握が必要です。慣れるまで時間がかかる前提で予定を組みましょう。
診療体制や電子カルテの違いに切り替えが必要なため、入職直後に無理な当直/オンコールを詰め込まないことが大切です。
医師の転職で特に気をつけたい「退職の申し出」と「入職の時期」

医師の転職には、一般の転職にはない時期の注意点が2つあります。退職・退局を申し出る時期と、求人が増える入職月です。
この2つを外すと、せっかくの逆算スケジュールが全体的にずれてしまいます。
- 退職・退局を申し出る時期
- 求人が増える4月・10月入職
退職の申し出は早めに!病院勤務は1〜3か月前、医局所属は半年〜1年前
退職の申し出に必要な時期は、勤務先が病院か医局かで大きく変わります。
病院勤務の医師が退職する場合、円満退職を前提にすると、遅くとも1〜3か月前、できれば3か月前までの申し出が現実的です。
法的には、期間の定めのない雇用なら申し出から2週間で退職できます(民法第627条第1項)。ただし患者の引き継ぎや診療体制の調整を考えると、早めの相談が望ましいでしょう。
一方、大学医局に所属している医師は前提が大きく異なります。慣例によっては、退局の申し出を半年〜1年前に求める医局も少なくありません。
大学医局は人事・医師派遣のネットワークで成り立っており、後任の派遣調整に時間がかかるためです。年度替わり(4月・10月)の人事に合わせる前提で逆算しましょう。
実際に、エムステージエージェントが医局を辞めた経験のある医師205名に聞いた調査では、42.0%の医師が「医局からの引き留めにあった」と回答しています。引き留めにあった医師のうち、退局までに「半年以上」かかった医師は39.5%にのぼりました。
Q:医局を辞めるとき、引き留めにあいましたか?

出典:医局を辞めた医師205名に聞く「退職交渉のリアル」(Dr.転職なび/エムステージエージェント・医局を辞めた経験のある会員医師205名・2023年6月調査)
退局を伴う転職は、この期間を必ずスケジュールに織り込んでください。
求人が増える「4月・10月入職」から逆算する
医師の常勤求人は通年で出ますが、年度替わりの4月と下期が始まる10月に増えやすい傾向があります。
人員体制を見直す医療機関が多く、選択肢が広がりやすいタイミングです。
4月入職を狙うなら前年10月ごろ、10月入職を狙うなら同年4月ごろから動き出すと、3〜6か月の逆算と噛み合います。
専門医プログラムへの参加など、年度内の入職が重要なケースでは、年度替わりに合わせて早めに逆算を始めてください。
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医師の転職スケジュールに関するよくある質問

医師の転職スケジュールについて、よく寄せられる質問にお答えします。
転職で一番しんどい時期はいつですか?
負担が大きいのは、内定後から退職までの期間とされています。
勤務を続けながら退職交渉と引き継ぎを並行するため、心身に余裕がなくなりやすい時期です。この時期を見越して、引き継ぎ計画を早めに立てておきましょう。
在職中の転職活動はいつから始めればいい?
入職希望日の3〜6か月前が目安です。
医局所属者は半年〜1年前から逆算します。求人が増える4月・10月入職に合わせるなら、その半年前から動き出すと噛み合います。
入職時期はどのくらい待ってもらえますか?
医師の採用側は、退職・引き継ぎに時間がかかることを理解しています。数か月待ってもらえるケースは珍しくありません。
地方や条件次第では、さらに長く待つ例もあります。待ってもらうには、辞める時期を明確に伝えることが前提です。
退職してから転職活動を始めても大丈夫?
退職後に活動する選択肢もありますが、空白期間の収入や専門医更新の要件に注意が必要です。
医師は非常勤・スポットで収入を確保しやすいため、在職中の活動と組み合わせる方法も検討しましょう。
【まとめ】入職希望日から逆算すれば、医師の転職は計画的に進められる|迷ったらエムステージエージェント
医師の転職は、情報収集から入職まで3〜6か月が目安です。まず入職希望日をゴールに置き、各工程を逆算で組み立てましょう。
- 各工程を入職希望日から逆算で組む
- 退職の申し出は病院1〜3か月前・医局半年〜1年前
- 求人が増える4月・10月入職に開始時期を合わせる
- 引き継ぎ・後任確保は時間がかかる前提で計画する
引き継ぎへの不満は60.9%にのぼり、余裕を持った計画が円満退職につながるでしょう。
逆算スケジュールづくりや退職交渉・日程調整に不安があれば、医師専門のエムステージエージェントに相談するのも選択肢の一つです。入職希望日から逆算した現実的な計画を、コンサルタントと一緒に立てられます。