「医師の転職を考え始めたものの、何から手をつけて、どんな順番で進めればよいのか分からない」という常勤医は少なくありません。
医師の転職は、一般企業よりも工程が多く、全体像をつかまないまま動くと遠回りになりがちです。
本記事では、医師の転職の流れを応募から内定・入職まで6ステップで整理し、各ステップで「いつ・何をするか」を一本で確認できるようにまとめました。ぜひご確認ください。
<本記事のまとめ>
- 情報収集から入職まで3〜6か月が目安
- 流れは方向性→条件整理→求人探し→応募→選考→入職の6段階
- 応募は2〜3施設へ並行し、応募先は一覧で管理
- 後悔回避の鍵は条件の優先順位づけと労働条件の書面確認
- 退職・退局は医局なら半年〜1年前からの相談が必要なことも
医師の転職にかかる期間は「3〜6か月」が目安|まず全体の流れをつかむ

医師の転職は、情報収集を始めてから入職するまで一般的に3〜6か月かかります。
常勤は退職交渉や患者の引き継ぎが必要なため、早くて3か月、長いと半年以上を見込まなくてはなりません。
実際に、エムステージエージェントの会員医師アンケートでは、転職活動を始めてから入職までの期間が「半年以内」だった医師が55.1%でした(3か月以内32.7%+6か月以内22.4%)。
Q:今回の転職活動を始めてから入職までの期間はどれくらいでしたか?

出典:医師の転職活動にかかる期間と手順(Dr.転職なび/エムステージエージェント・会員医師98名・2021年11月調査)
転職の流れは、大きく分けて以下の6つのステップに分かれます。
方向性を決める→希望条件を整理する→求人を探す→応募する→書類選考・面接/病院見学→内定・条件交渉・退職/退局・入職、という順番です。
医局所属の有無や診療科、後任の確保しやすさで必要な期間は変わります。
3〜6か月はあくまで目安として、年度替わりの人事も見据えながら余裕を持った計画を立てましょう。
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【STEP1】キャリアを棚卸しし、転職の方向性を決める

最初に取り組むのは、キャリアの棚卸しです。
これまで経験した診療内容・症例数・手技・取得資格(専門医/指導医)・マネジメント経験を書き出し、自分の強みと市場価値を整理します。
専攻医・中堅・ベテランなど、キャリア段階によって転職の狙いどころは変わります。
まずは現在地を言葉にすることが、ぶれない軸づくりの出発点です。
キャリアを棚卸しし、強みと市場価値を整理する
棚卸しでは、「何ができるか」を客観的な事実に落とし込みます。
症例数や手技件数、指導・教育の実績などは、面接や書類で強みを伝える具体的な材料です。
転職の目的・方向性を固める
次に、「数年後どう働きたいか」という方向性を描きます。
医局に所属したまま動くのか、退局して市中病院・クリニック・健診・産業医などへ進むのかで、流れも必要期間も変わります。
エムステージエージェントのコンサルタント調査でも、転職を成功させるポイントとして最も多かったのは「転職の目的を明確にしておく」でした。
目的が曖昧なままだと、活動が進んでも話が白紙に戻ってしまいがちです。
【STEP2】希望条件を整理し、優先順位をつける

年収・当直/オンコールの有無・診療科・施設形態・勤務地・休日などの希望条件を、まずはすべて書き出します。
施設形態は、急性期・回復期・慢性期・クリニック・健診・産業医などで働き方が大きく異なります。
すべての条件は叶わない前提で、「絶対に譲れない条件(MUST)」と「できれば叶えたい条件(WANT)」に分けて優先順位をつけましょう。
【STEP3】求人を探し、情報を集める

求人を探す前に決めておきたいのが、どのルートで探すかです。
応募ルートには主に「転職エージェントの利用」「同僚・知人の紹介」「直接応募」の3つがあり、それぞれ特徴が異なります。
転職エージェントは、条件交渉や日程調整を代行してくれ、非公開求人や内部情報を得やすいのが強みです。一方で、担当者との相性は事前に見極めたいところです。
同僚・知人の紹介は、採用側の信頼を得やすく選考が進みやすい反面、条件交渉や辞退がしづらい面があります。
直接応募は、自分のペースで動ける一方、情報収集や条件交渉を自力で進めなければなりません。
好条件の求人ほど「非公開求人」として、登録した会員にのみ案内される傾向があります。実際に、エムステージエージェントでも転職求人の約92%が非公開求人で、会員の医師にのみ案内されています。
出典:よくあるご質問(Dr.転職なび/エムステージエムステージエージェント公式)
求人サイトで広く公開されない案件も多いため、エージェント経由で内部情報まで確認すると効率的です。
【STEP4】応募する(応募書類の準備と複数応募)

応募ルートが決まったら、実際に応募します。
医師の転職では、第1候補だけに絞らず、2〜3施設に応募して比較するのが一般的です。
応募時は、履歴書・職務経歴書に加え、医師免許証の写しや専門医・認定医の資格証明などの提出を求められることがあります。
これらの書類は、応募が決まってから慌てないよう、早めにそろえておくと安心です。
複数のエージェントを併用するのも一般的で、エムステージエージェントで転職した医師の約6割は他社サービスも並行利用していました。
ただし、同じ求人に複数の経路から重複して応募しないよう、応募先は一覧で管理しましょう。
出典:よくあるご質問(Dr.転職なび/エムステージエージェント公式・併用に関するアンケートn=97・2021年11月)
【STEP5】書類選考・面接・病院見学を受ける

書類選考を通過すると、面接・病院見学に進みます。
医師の場合は、院長・事務長との面談と施設見学がセットになることが多く、病院見学は面接と同日に設定されやすいのが特徴です。
面接で見られるポイント
面接では、経歴やスキルに加えてコミュニケーション力が重視される傾向があります。
エムステージエージェントのコンサルタント調査でも、医療機関が求める医師像として最も多かったのは「コミュニケーション力が高い」でした。
Q:医療機関から求められる医師像として、特に当てはまるものは?

出典:医療機関が「欲しがる医師」「敬遠する医師」の特徴(Dr.転職なび/エムステージエムステージエージェント・常勤担当コンサルタント調査・2023年2月)
反対に、転職回数の多さや在籍期間の短さは、懸念要素になりやすい点も押さえておきましょう。
該当する場合は、転職理由を前向きに説明できるよう整理しておくと安心です。
病院見学で確認すること
病院見学では、外来・病棟・医局の雰囲気や、当直室などの設備を見ます。
残業や当直の実態が、面接で聞いた話と相違ないかを確認しましょう。可能であれば、同僚となる医師に直接話を聞くのも有効です。
施設の方針や経営状況、入職後のキャリアの広がりも、面接・見学の場で質問して確認します。
【STEP6】内定・条件交渉を経て、退職/退局し入職する

面接後は、おおむね1週間〜1か月で勤務条件の提示があり、その後1〜2週間で返答するのが一般的です。
提示された条件に不明点があれば、返答期限までに必ず確認・交渉します。
内定時は労働条件を書面で確認する
転職後の後悔の多くは、聞いていた仕事内容や年収と、実際が違ったことに起因します。
失敗経験のある医師が「入職前に確認しておきたかったこと」は、1位が実際の仕事内容(72.5%)、2位が実際の給与額・手当額(56.3%)、3位が募集背景や前任者の退職理由・離職率(41.3%)でした。
Q:また転職する機会があれば、入職前に確認しておきたいことは?

出典:医師が転職で後悔したことについてのアンケート(Dr.転職なび/エムステージエージェント・会員医師352名・2022年10月調査)
口約束で済ませず、年収・当直回数・業務範囲・諸手当といった労働条件は、必ず書面で確認しましょう。
条件交渉はエージェントを介すと、医師から直接は言いにくい内容も調整しやすくなります。
退職・退局を申し出る
一般的に、退職の申し出は3か月前が目安です。
ただし医局所属の場合は、後任の派遣調整が必要なため、半年〜1年前の申し出を求められるケースがあります。4月や10月など人事の節目に合わせて逆算しましょう。
法的には、期間の定めのない雇用であれば申し出から2週間で退職できます。
とはいえ患者の引き継ぎや医局・現職との関係を考えると、円満退職を前提に早めに相談するのが現実的です。
退職の意向は、直属の上司に前向きな転職理由とともに伝えます。慰留されることも多いため、転職先を確定させてから交渉に臨むのが安全です。
引き継ぎを行い、入職する
退職日が固まったら、引き継ぎに移ります。
担当患者が多い場合や一人診療科の場合は、後任の確保から始まり、想定以上に時間がかかることがあります。
エムステージエージェントの調査では、過去に受けた引き継ぎに「不満を感じた経験がある」医師が60.9%にのぼり、最多の不満は「カルテ記載が不十分」でした。
Q:異動や退職をする方からの引き継ぎで、不満を感じたことはありますか?

出典:退職時トラブルを回避する「引き継ぎ」のポイント(Dr.転職なび/エムステージエージェント・会員医師348名・2023年1月調査)
後任を困らせない引き継ぎを、余裕を持って計画しましょう。
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医師の転職の流れに関するよくある質問

在職中でも転職活動はできますか?
在職しながら進めるのが一般的です。
求人探し・面接日程の調整・条件交渉をエージェントに任せれば、勤務と並行しても流れを止めずに進められます。秘密も厳守されるため、安心して取り組めます。
何か月前から動き始めればよいですか?
入職希望日の3〜6か月前が目安です。
医局所属者は、半年〜1年前から逆算しましょう。求人が増える4月・10月入職に合わせるなら、その半年前から動き出すと余裕を持てます。
転職エージェントは複数使ってもよいですか?
併用は問題ありません。
エムステージエージェントで転職した医師の約6割は、他社サービスも並行利用していました。ただし同じ求人への重複応募を避けるため、応募先は一覧で管理しましょう。
常勤・非常勤・スポットで転職の流れはどう違いますか?
常勤は、退職交渉・引き継ぎを含めて3〜6か月が目安です。医局所属なら、さらに前倒しが必要です。
定期非常勤は、面接・契約手続きを経て1〜2か月程度で勤務開始できることが多くなっています。
スポット(単発)は、日給制で役割が明確なため、最短で数日〜数週間先の勤務に入れることもあります。
いずれも在職中に進める場合は、現職の就業規則(兼業規定)と、勤務医に適用される時間外労働の上限規制を踏まえてスケジュールを組みましょう。
書類選考や面接の結果はいつ来ますか?
面接後は、おおむね1週間〜1か月で勤務条件の提示があるのが一般的です。
返答期限が設定されることも多いため、複数を受ける場合は日程と期限を一覧化しておくと、対応漏れを防げます。
【まとめ】流れを押さえれば、医師の転職は計画的に進められる|迷ったらエムステージエージェント
医師の転職は、方向性の決定→希望条件の整理→求人探し→応募→書類選考・面接/病院見学→内定・条件交渉・退職/退局・入職という6ステップで進み、全体で3〜6か月が目安です。
後悔を防ぐ鍵は、希望条件の優先順位づけと、労働条件の書面確認にあります。調査でも転職経験者の約45%が「失敗」を経験し、その背景には事前確認の不足がありました。
退職・退局は、医局の場合は半年〜1年前からの相談を求められることもあります。引き継ぎへの不満は60.9%にのぼるため、余裕を持った計画が円満退職につながります。
流れの組み立てや条件交渉・退職交渉に不安があれば、医師専門のエムステージエージェントにご相談ください。入職希望日から逆算した現実的な計画を、専任のコンサルタントが一緒に立てていきます。
何から動けばよいか迷っているなら、まずは情報収集の段階からエムステージエージェントを活用してみてください。