医師の職務経歴書を書こうとして、「どの項目を、どんな順番で書けばいいのか」「症例数や専門医資格はどう見せれば伝わるのか」と手が止まっていませんか?
医師の職務経歴書は、診療科・症例数・専門医資格の記入欄を備えたテンプレートをダウンロードし、本記事の書き方に沿って各欄を埋めていけば短時間で形にできます。書式をゼロから考える必要はありません。
本記事では、無料でダウンロードできる医師用の職務経歴書テンプレートと、各欄の具体的な書き方・記入例、診療科別の実績の見せ方、採用担当者が見るポイントまで解説します。
<本記事のまとめ>
- テンプレートは職務要約・職務経歴・経験症例数・手技・資格・自己PRなど医師特化の欄を用意
- 各欄は本記事の記入例に沿って埋めるだけ。症例数・手技は「年間◯件」「通算◯件」で数値化
- 採用側が最も見るのは「募集ポストで活躍できるか」。求める医師像に合わせて強調点を調整
医師の職務経歴書テンプレートを無料ダウンロード

この医師用の職務経歴書テンプレートには、診療科・経験症例数・手技件数・専門医資格など、医師ならではの実績を書き込む欄があらかじめ用意されています。
ダウンロードすればそのまま入力でき、白紙から項目を考える手間がありません。
上から「職務要約→職務経歴→経験症例数・主な手技・術式→免許・資格・専門医・指導医・所属学会→研究・論文・学会発表→活かせる知識・スキル/自己PR」の順に並び、転職活動で使う情報を一枚に整理できます。
各欄の具体的な書き方は、本記事の「医師の職務経歴書テンプレートの各項目の書き方」で記入例とともに解説します。
職務経歴書と履歴書の違い

履歴書と職務経歴書は役割が異なり、医師の転職では両方の提出を求められるのが一般的です。
履歴書は、氏名・学歴・職歴・医籍登録番号などの基本プロフィールを確認するための書類です。
一方の職務経歴書は、診療経験・スキル・実績を具体的に伝えるための書類になります。
医師の場合、履歴書だけでは「どの疾患を、どれだけ診てきたのか」までは伝わりません。
そこを職務経歴書の症例数・手技・専門領域で補うことで、採用側は「自院の募集ポストを任せられるか」を判断できます。
医師の職務経歴書テンプレートの各項目の書き方

テンプレートは、上から順に次の6つの欄で構成されています。各欄を埋めれば、医師らしい職務経歴書が一枚にまとまります。
- 職務要約
- 職務経歴
- 経験症例数・主な手技・術式
- 免許・資格・専門医・指導医・所属学会
- 研究・論文・学会発表
- 活かせる知識・スキル/自己PR
職務要約
職務要約は、これまでの診療キャリアを3〜4行で伝える冒頭のサマリーです。
経験年数・主な診療科・勤務した施設の種類・得意領域・症例規模感を、簡潔に盛り込みます。
記入例:「内科医として約10年、急性期・回復期病院で一般内科と消化器内科を担当。外来・病棟管理に加え、上部・下部消化管内視鏡を年間◯件経験。チーム医療と後進指導にも携わってきました。」
採用担当者が最初に読む部分なので、応募先が求める診療内容に近い経験を前半に置くと効果的です。
職務経歴
職務経歴は、勤務した医療機関を時系列でまとめる欄です。新しい順に書くのが一般的です。
各勤務先について、医療機関名・施設区分(急性期/回復期/慢性期/クリニック/健診 など)・病床数・診療科・役職・主な担当業務を記載します。
記入例:「20◯◯年4月〜20◯◯年3月|◯◯総合病院(急性期・◯◯床)/消化器内科/医員|外来・病棟管理・内視鏡検査を担当」
施設区分と病床数まで添えると、扱ってきた医療の規模やフェーズが採用側に伝わりやすくなる点も強みです。
経験症例数・主な手技・術式
ここは医師の職務経歴書の核となる欄です。担当した領域・疾患や手技・術式を、経験件数とあわせて具体的に書きます。
件数は「年間◯件」または「通算◯件」で数値化し、自分が術者か助手か、指導的立場かといった役割も書き添えるのがポイントです。
記入例:
- 上部・下部消化管内視鏡検査|年間◯件|術者
- 内視鏡的止血術|通算◯件|術者
- 大腸ポリープ切除術|通算◯件|術者
誇張や虚偽は書かないことが前提です。提出後の経歴照会や面接で確認されるため、実数で正確に記載しましょう。
免許・資格・専門医・指導医・所属学会
医師免許に加え、専門医・指導医・認定医・所属学会を、正式名称と取得年で記載します。
略称ではなく認定機関の正式名称で書くのが安全です。
記入例:
- 日本内科学会 認定内科医(20◯◯年取得)
- 日本消化器内視鏡学会 専門医(20◯◯年取得)
- 日本消化器病学会 所属
応募先が学会認定施設の要件を満たすために特定の専門医を求めるケースもあるため、保有資格は漏れなく書きます。
研究・論文・学会発表
研究実績や論文、学会発表は任意の欄です。該当があれば、主要なものだけで構いません。
種別(論文/学会発表/著書 など)・タイトル・掲載誌や学会名・年・役割(筆頭/共著 など)を簡潔にまとめます。
記入例:「論文|(タイトル)|(掲載誌名)|20◯◯年|筆頭著者」
大学病院や教育的な役割を求める施設では評価につながりますが、無理にすべてを並べる必要はありません。
活かせる知識・スキル/自己PR
最後に、診療スキル・使用できる機器や術式・マネジメントや教育の経験・語学などを整理し、自己PRにつなげます。
自己PRでは、応募先の求める医師像に合わせて強みを選び、症例・専門性・チーム医療での連携姿勢を具体的に書きます。
記入例:「消化器内視鏡を中心に、急性期での幅広い症例に対応してきました。研修医指導の経験もあり、チーム医療を重視した診療を心がけています。」
診療科別に強調する実績の書き方

診療科ごとに前面へ出すべき実績は異なりますが、汎用テンプレートの各欄に、自分の科に合わせて書き分ければ対応可能です。
科別に強調しやすい実績は、おおむね以下のとおりです。
- 内科系:担当疾患の幅・外来/病棟の症例数・専門領域
- 外科系:術式別の手術・手技件数(術者/助手の別)
- 麻酔科:麻酔管理の症例数・対応領域
- 救急科:救急対応・初期診療の件数
- 美容・自由診療:施術メニュー・施術件数・カウンセリング対応
応募先がよく扱う領域がわかっている場合は、その領域に近い実績から先に書き、強調点を調整しましょう。
採用担当者が医師の職務経歴書で見るポイント

採用担当者が職務経歴書で見るのは、「募集ポストで活躍できる裏づけ」です。
応募先の診療方針や求める医師像を踏まえ、それに合致する経験から先に書くと、評価されやすくなります。
実際に、エムステージエージェント(株式会社エムステージ)が常勤担当のコンサルタントに行った調査(2023年2月公開)では、医療機関から求められる医師像として最も多く挙がったのは「コミュニケーション力が高い」でした。
Q:医療機関から求められる医師像として、特に当てはまるものは?

出典:医療機関が「欲しがる医師」「敬遠する医師」に関するコンサルタント調査(Dr.転職なび・エムステージエージェント/2023年2月)
症例数や専門性だけでなく、チーム医療での連携姿勢が伝わる記述も、ほかの応募者と差がつくポイントです。
同じ調査では、敬遠されやすい特徴として「転職回数が多い」「在籍期間が短い勤務先が多い」も挙がっています(いずれも医局人事による異動を除く)。
そのため、医局人事での異動と本人都合の転職は区別して書くと、不要な誤解を避けられます。
また、症例数・手技件数は「年間◯件」のように数値で具体化し、誇張や虚偽は書かないことが前提です。提出後の経歴照会や面接で確認されるためです。
提出前のチェックリスト

提出前に、以下の6点を確認しておきましょう。 細部の不備は、それだけで印象を下げてしまいます。
- 提出日付と西暦・和暦の統一
- 文体(です・ます/である調)の統一
- 症例数・実績の数値での具体化
- 院内の略語・専門用語の言い換え
- 誤字脱字・変換ミス(特に薬剤名・術式名)
- 1項目あたりの記述量の調整
特に、症例数や資格が数値・正式名称で具体的に書けているかは、もう一度見直す価値があります。
【まとめ】医師の職務経歴書はテンプレートの各欄を具体化するのが近道|迷ったらエムステージエージェント
医師の職務経歴書は、テンプレートの各欄を埋めながら、症例数・手技・専門医資格を具体化していくのが近道です。
要点を整理します。
- テンプレートで職務要約から自己PRまでの項目の抜け漏れを防ぐ
- 症例数・手技は「年間◯件」「通算◯件」、資格は正式名称で具体化
- 応募先の求める医師像に合わせて強調点を調整
書き方や強調点に迷ったときは、医師の採用事情に詳しいエムステージエージェントのコンサルタントに相談するのも一つの方法です。
応募先に合わせた書類の整え方や、強みの伝え方についてアドバイスを受けられます。