非常勤やスポットの求人を探す際、Web履歴書の作成方法で悩む医師の方も多いのではないでしょうか。診療の合間を縫って応募書類を用意するのは、時間的にも精神的にも負担を感じるものです。
Web履歴書は、採用担当者が最初に確認する情報です。選考者の第一印象を決める要素にもなり得るため、丁寧に作成することが選考通過のポイントになります。
この記事では、選考を突破して希望の働き方を実現するために、非常勤・スポット向けの記入例や注意すべきNG行動を解説します。
医師のWeb履歴書は最初の30秒で判断される?
医療機関側がWeb履歴書を確認するとき、読み始めてから約30秒で写真や資格、志望動機の書き出しを眺め、瞬時にふるいにかけると言われています。
例えば、添付されている証明写真が不鮮明であったり、資格欄にある保有資格の記載が曖昧であったりすると、それだけで採用担当者の選考候補から外されてしまうということです。志望動機や実績がどれだけ優れていたとしても、これら3つの要素に誤りや違和感があると、そもそも選考の対象にならなくなってしまいます。
こうしたもったいない事態にならないためにも、写真と資格、志望動機の書き出しはケアレスミスがないか慎重にチェックする必要があります。
医師のWeb履歴書で不採用を避けるためのポイント
Web履歴書での表記の誤りは、時に雑な印象を与えてしまうおそれがあります。正しい書き方を覚えて、良い印象が伝わるよう仕上げていきましょう。
やりがちなNG表記と正しい書き方
医師のWeb履歴書を作成する際は、医療業界特有の正しい用語や正式名称を正確に記載する必要があります。一般企業とは異なる独自のルールがありますが、業界慣習に則った丁寧な記述を心がけましょう。
一般的な企業では「入社・退社」と書きますが、医師向けの履歴書では「入職・退職」と記述し、専門医資格も学会名を含めた「日本内科学会認定内科専門医」のように正式名称で明記します。大学病院や医療法人、クリニックなどの勤務先も医療機関名まで丁寧に表記しましょう。
また、医師免許の項目には、医籍登録の日付や登録番号を省略せずに書き写すことが大切です。
これは見た目の話になりますが、パソコンでWeb履歴書を作る際はフォントや文字サイズも意識しましょう。文字が小さ過ぎて記入が荒いと、整っていない印象が出てしまいます。
転職回数や医局人事を好印象に変える言い換え術
もし過去に転職を多く経験しているなら、医療機関が納得する前向きな理由に書き換えるのが望ましいです。近ごろは転職が多いことをマイナスに考える医療機関は少ないとはいえ、本音をそのまま書いても好印象を持ってもらえる可能性は高くありません。大切なのは、採用側がポジティブに解釈できる書き方をすることです。
エムステージが実施したアンケートでも、相手視点の大切さを説いた回答が集まりました。
▼実際の声
「一般の転職と同様だが、後ろ向きではなく、前向きな自己アピールを心がけるようにすべきと思う。相手側の視点も忘れないように」(40代・泌尿器科・一般病院)
「当直なし」の勤務を希望する場合、例えば「外来診療の質向上に集中し、効率的な医療提供で貴院に貢献したい」と言い換えるようにします。培ったコミュニケーション能力や幅広い臨床経験を強みとしてアピールしましょう。
【参考】転職活動に関するアンケート.csv
採用につながりやすくなる志望動機の書き方
Web履歴書の中でも、自身の意欲をアピールできるのが志望動機の欄です。書類選考を通過するためには、採用側の意図に合致した志望動機が不可欠となります。
数字を含めて説得力を持たせる
志望動機や自己PR文を作成する際は、年間の執刀数や過去に担当した症例数など、具体的な数字を当てはめる方法がおすすめです。特に非常勤やスポットの求人では、自院の不足している枠をすぐに埋めてくれる即戦力の医師を求めているため、客観的な実績数値はアピール材料になります。
ご自身のスキルをわかりやすく伝える際は、以下の型をベースにして内容をカスタマイズしてみましょう。
「これまでに年間約〇例の内視鏡検査を行ってきた経験を活かし、貴院の非常勤枠にて即戦力として貢献いたします。」
【年収UP希望向け】希望額に見合う実績と貢献度を提示する
単に「現在の給与に不満がある」「年収を上げたい」という理由だけでは、採用側に「コストがかかる医師」という印象を与えてしまいかねません。年収アップを狙う際は、提示する希望額以上のメリットを医院にもたらすことができる根拠をセットで伝えるのが鉄則です。
【志望動機・例文】
「前職のクリニックでは、〇〇(自由診療や特殊外来など)の立ち上げに携わり、月間約〇〇万円の売上を維持してまいりました。これまでに培ったスキルを活かし、貴院の経営面にも貢献しつつ、給与面での正当な評価をいただきたく志望いたしました。」
【ワークライフバランス重視向け】密度高く貢献する姿勢を伝える
「当直なし」「残業なし」「週〇日勤務」など、ワークライフバランスを重視した働き方を希望する場合、単に条件を羅列するだけでは「権利ばかり主張する医師」と捉えられるリスクがあります。条件を絞る代わりに、「勤務時間内は即戦力として最大限のパフォーマンスを発揮する」というメリハリのある熱意を伝えることが重要です。
【志望動機・例文】
「家庭との両立のため、当直なし(日勤帯のみ)での勤務を希望しております。その分、日勤帯においては前職で培った〇〇の経験をフルに活かし、外来の混雑緩和やスムーズな病棟管理に尽力し、貴院の診療効率化に貢献いたします。」
【ブランクがある人向け】自主的なキャッチアップをアピールして即戦力への不安を払拭する
一定のブランクがある医師の場合、採用側が懸念するのは「現在の医療現場にすぐ適応できるか(即戦力性)」という点です。書類選考での減点を防ぎ、採用側に安心感を持ってもらうためには、「ブランク期間中も知識をアップデートしていたこと」をアピールしましょう。
【志望動機・例文】 「育児に伴い臨床から一時的に離れておりましたが、その間も最新のガイドラインや〇〇の知見を学び直してまいりました。まずは貴院のスポット(非常勤)勤務から着実に実績を積み上げ、確実な即戦力として医療現場に貢献したいと考えております。」
効率的にWeb履歴書を完成させる方法
「採用担当者に刺さる履歴書を用意したいけれど、なるべく短い時間で完成させたい」。そのように考える医師も多いのではないでしょうか。
最後に、Web履歴書を効率良く作成する方法を解説します。
無料の作成ツールやテンプレートを活用する
Web履歴書は無料の作成ツールや専用テンプレートを活用しましょう。履歴書には、採用選考における公平性やマナーの観点から、標準的な様式が存在します。そのため、最初から正しいルールに則って作られた標準フォーマットに頼るのが、選考を確実に通過するための正攻法といえます。
医師の方が求人に応募する際に使える履歴書のテンプレートをご用意しました。下記ページからダウンロードして、求人応募の際にお役立てください。常勤・非常勤・スポット勤務など、どのような働き方の応募であっても、すべて共通のフォーマットで対応可能です。
(ダウンロードページへのリンク)
転職エージェントの添削サービスを活用する
履歴書を用意できたら、最後に転職エージェントの個別添削を活用して、文章表現や自己PRの内容をブラッシュアップしましょう。自身の強みや経験が医療機関側に響く表現になっているか、アピール不足な点がないかなど、文章の改善すべき箇所に自分一人だけで気づくのは難しいためです。
医療業界の採用動向を熟知したエージェントに客観的な視点で文章(文言)をチェックしてもらうことで、自身の事情や強みをカバーしつつ、採用担当者に確実に刺さるWeb履歴書へと仕上げることが期待できます。
また、エージェントが提供してくれるのは、こうした履歴書の中身(文章)に関する添削だけではありません。書類が完成した後の次のステップ、つまり「応募・提出プロセス全般」のサポートまで一気通貫で受けられる点も大きなメリットです。
Web履歴書は正しい型と言い回しを意識して作成しよう
Web履歴書は医師としての第一印象を左右し、即戦力としての適性を瞬時に伝えるための書類です。
書類選考を確実に突破するためには、以下のポイントを意識しましょう。
- ケアレスミスを排除し、第一印象での減点リスクをなくす
- 症例数や執刀数など、客観的な数字を用いて即戦力としての実績を明示する
- 希望条件・背景は、医療機関への「貢献の意志」へポジティブに変換する
- 自分では気づきにくい文章の盲点は、転職エージェントの個別添削でブラッシュアップする
どれだけ優れたスキルや経験を持っていても、それが書類を通じて医療機関側に正しく伝わらなければ、条件交渉を有利に進めることはできません。
ぜひこの記事でご紹介したポイントやテンプレートを活用し、ご自身のキャリアと熱意が最大限に伝わる履歴書を完成させて、理想の働き方を実現させてください。