転職活動を始めるにあたって「応募先から現職に連絡が入り、転職活動が知られてしまうのではないか」と不安を感じる医師の方は多くいらっしゃいます。
結論として、本人の同意なく応募先が現職へ確認を行うことは、原則として認められていません。
一方で、医療業界特有の人的ネットワークを通じて、非公式に情報が伝わる可能性はゼロではないため注意が必要です。
本記事では、医師の転職で現職に確認が入るのかという疑問に答えつつ、現職に知られずに転職活動を進める方法や入職後に後悔しないために転職先で確認すべきことなどを解説します。
<本記事のまとめ>
- 個人情報保護法により、応募先が本人の同意なく現職へ経歴や勤務状況を確認することはできない
- リファレンスチェックは本人同意が前提であり、求められても拒否できる
- 正規ルートでの確認はなくても、学会や同窓ネットワークを通じた非公式な情報漏れには注意が必要
- 現職に知られずに進めるには、匿名で相談できる転職エージェントの活用が有効
目次
医師の転職先から現職に確認(リファレンスチェック)されることはある?

まずは、転職先から現職への確認が実際に行われるのかを、以下4つの項目から解説します。
- 現職への確認は原則「本人の同意なし」には行われない
- 同意を求められても拒否できる
- 採用側が確認するのは主に「医師免許」と「経歴の正確性」
- 非公式ルートで伝わるリスクはある
現職への確認は原則「本人の同意なし」には行われない
個人情報保護法では、在籍先の企業が本人の同意なく第三者へ個人情報を提供することは、原則として認められていません。
そのため、採用側が応募者の経歴や勤務態度を現職に聞き出すことは、法的には行えないのが原則です。
正規のルートで勝手に現職へ連絡が行くことはないため、その点はまず安心してよいでしょう。
同意を求められても拒否できる
リファレンスチェック(推薦人への照会)の実施には、応募者本人の同意が必要です。加えて、求められても拒否自体はできます。
しかし、拒否した場合に選考でマイナスに働く可能性はゼロではありません。「なぜリファレンスチェックを実施するのか」をあらかじめ応募先に確認したうえで判断しましょう。
また、リファレンスチェックの推薦人は、現職の上司でなくとも構いません。応募先に事情を説明したうえで現職以外の推薦人を選べば、大抵は柔軟に対応してもらえます。
リファレンスチェックはただ拒否するのではなく、しっかり確認したうえで判断することが大事です。
採用側が確認するのは主に「医師免許」と「経歴の正確性」
病院側が採用時に優先的に確認するのは、現職への照会よりも「医師免許の真正性」と「職歴の正確性」です。そのため、過度にバレを心配する必要はありません。
現職への確認は「現職に探りを入れられる」というよりも「提出書類の整合性を見られる」ことと理解しておくと、対策の方向性が定まります。
職歴詐称は、懲戒解雇事由となり得ます。無用なトラブルを防止するためにも、履歴書や職務経歴書は正確に記入し、提出前にしっかり見直してください。
非公式ルートで伝わるリスクはある
公式な手続きを踏んだリファレンスチェックはなくても、医療業界特有の「狭さ」から、非公式に情報が伝わる可能性はゼロではありません。
病院の院長や医局長、事務長同士は、出身大学の同窓会や学会、地域の医師会などで緊密につながっていることが多くあります。
そのため「そちらの〇〇先生がうちに応募してきているが、どんな人か」といった軽い世間話から、現職に転職活動の事実が漏れてしまうケースがあります。
こうした非公式ルートから情報が伝わるのを防ぐには、まず自分から転職活動について漏らさないようにしてください。また、匿名性の高い転職エージェントを活用し、ぎりぎりまで本名を使わずに転職活動を進めることが大事です。
現職の就業規則や退職規定を確認する2つの方法

誰にも気づかれずに現職の就業規則や退職規定を確認するには、以下2種類の方法を使いましょう。
- イントラネットで検索する
- 入職時の「労働条件通知書」や「雇用契約書」で確認する
1. イントラネットで検索する
もっとも安全かつ、誰にも気づかれずに確認するには、院内のイントラネットを活用しましょう。
労働基準法第106条により、常時10人以上の労働者がいる病院は、就業規則を労働者がいつでも見られる状態にしておく必要があります。
第百六条 使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、(中略)に規定する決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。
院内PCから、職員専用のイントラネットや共有フォルダ内にある「規程集」「総務・人事通達」などの項目を、自力で検索してみましょう。誰かに聞く前に、まずは院内ネットワークの隅々まで探すことが大事です。
ただし、確認している様子を周囲に見られないように注意してください。
2. 入職時の「労働条件通知書」や「雇用契約書」で確認する
退職に関する事項は労働基準法第15条により、労働条件通知書への絶対的明示事項として定められています。
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。(中略)
自宅に保管してある入職時の書類を確認して「退職に関する事項」などの欄に目を通しておきましょう。
退職の申し出時期や手続きの流れを事前に把握しておくことで、スムーズに退職準備を進められます。
医師が転職活動を現職に確認されずに進める方法

医師が転職活動を現職に確認されずに進めるには、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
たとえば弊社が運営する「エムステージエージェント」では、実名や現職名を出さずに条件提示や求人紹介を受けられる「匿名キャリアシート」の仕組みを用意しています。
匿名キャリアシートを活用すれば、興味を持った求人にだけ納得した段階で実名を開示して面談に進めるため、身バレのリスクを抑えられます。
ほかにも、以下のようなメリットを受けられるのも転職エージェントの魅力です。
- 「非公開求人」への応募
- 年収や当直回数など「個人では言いにくい条件」の交渉代行
- 面接・見学の時間調整の一任
- 人間関係や実際の残業時間など内部事情の事前把握
- 引き止めトラブルなどを防ぐ退職サポート
現職に動きを悟られずに転職を進めたい方は、ぜひエムステージエージェントへお気軽にご相談ください。
転職先を現職に確認された場合の対応方法

ここからは退職を切り出した際に、転職先を現職に問いただされたときの対応方法を解説します。
転職先を聞かれても伝えないほうがよい
退職を切り出すと、院長や上司から転職先を尋ねられることがあります。しかし、基本的には伝えないほうが無難です。
医療業界は狭く、転職先が現職と学会や同門などでつながっているケースも多いです。そのため、素直に転職先を伝えてしまうと、先方に良くない情報が伝わるリスクがあります。
また、転職先を知られることで「あそこより好条件を出す」といった引き留めの交渉材料にされ、退職が長引く原因になることもあります。
聞かれた場合は「まだ最終調整中で完全には決まっていない」などと濁し、退職日が確定するまで具体的な転職先は伏せておきましょう。
どうしても対応しづらい方は、退職交渉の進め方を転職エージェントに相談して、対応を任せるのが得策です。
現職からの引き留め経験がある医師は弊社調査で42%
「エムステージエージェント」が退職経験者205名を対象に実施した独自調査では、42%が退職時に引き留めを経験したと回答しています。
Q:退職時に、医局からの引き留めはありましたか?

また、引き留めの有無に関わらず、退職にかかった期間としてもっとも多かったのは「3〜6か月以内」でした。詳細なデータでは、医局からの引き留めがあった医師のほうが、退職交渉や引き継ぎに長い期間を要する傾向がみられます。
Q:「引き留めはなかった」と回答した医師

Q:「引き留められた」と回答とした医師

交渉が長引くと、退職まで半年以上かかるケースもあります。退職を見据える際は、全体のスケジュールに余裕を持って動くことが大切です。
入職後に後悔しないために「転職先」で確認すべき事項

現職への対応とあわせて意識したいのが、転職先の見極めです。入職後の後悔を防ぐために確認すべき事項を、以下3つの項目から解説します。
- 転職した医師の45%が「失敗」を経験している
- 入職前に確認すべき5つの事項
- 失敗を防ぐために雇用条件は確認して「書面」で残す
転職した医師の45%が「失敗」を経験している
「エムステージエージェント」が医師352名を対象に実施した独自調査では、45%の医師が転職後に「失敗した」と感じた経験があると回答しています。
また、失敗内容の上位TOP5は、以下のとおりです。
Q:医師が転職後に「失敗した」と感じたこと(複数回答可)

これらの失敗の多くは、転職先の実態確認が不十分だったことが後悔につながっています。後悔のない転職のためには、入職前の事前調査をしっかり行いましょう。
入職前に確認すべき5つの事項
「エムステージエージェント」の独自調査で「次に転職するなら入職前に確認したいこと」を尋ねたところ、回答の上位は以下のとおりでした。
Q:次に転職するなら、入職前に確認したいことは何ですか?(複数回答可)

上記の確認内容について精度の高い情報を得るには、転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントであれば希望条件や優先順位を整理しつつ、条件に合った求人を探してもらえます。
条件の確認や交渉も代行してもらえるため、日々の業務が忙しい勤務医でも自分に合った職場を見つけやすくなります。
失敗を防ぐために雇用条件は確認して「書面」で残す
「エムステージエージェント」の独自調査で「失敗を防ぐために実施すべきこと」を尋ねた質問では、上位に以下の回答が挙がりました。
Q:転職の失敗を防ぐために、実施すべきだと思うことは何ですか?(複数回答可)

とくに雇用条件を確認し、書面で残しておくことは重要です。口約束だけで雇用条件を定めるのは、のちのトラブルにつながるため避けましょう。
雇用条件の確認や交渉、書面化は転職エージェントの得意領域です。一人で抱え込まず、まずはエージェントに登録して専任コンサルタントに相談してみてください。
医師の転職における現職からの確認に関するよくある質問

医師の転職と現職への確認に関して、よくある質問にお答えします。
転職先から現職に在籍確認の電話は来る?
原則として、本人の同意なく現職への電話連絡はありません。
ただし、履歴書や職務経歴書に不自然な部分などがあると疑念を持たれやすくなり、事実確認のために電話確認が発生するリスクはゼロではありません。
そのため、書類に書く経歴は正確に記載するよう心がけましょう。
内定後に転職先から現職へ連絡されることはある?
内定後であっても、無断で現職へ連絡されることはありません。リファレンスチェックを実施する場合も、必ず事前の本人同意が求められます。
推薦人を求められた場合でも、転職先に相談すれば、現職の上司以外を指定できることが多いです。
現職に転職活動がバレたくない方は、以前の勤務先の上司や信頼できる他院の医師を指定できないか、転職先に相談しましょう。
転職活動が現職にバレたらどうなる?
現職に転職活動がバレると、待遇改善を提示されて引き留められる、職場内で気まずくなるなどの問題が発生する可能性があります。
そのため、転職先が確定するまでは、現職にバレないように注意しましょう。「エムステージエージェント」の調査でも、退職経験者の67.3%が「退職日が固まる前に院内で相談をしていない」と回答しています。
Q:退職日が決まる以前、医局を辞めることを勤務先(院内)の誰かに相談しましたか?

トラブルを避けるためにも、転職先の内定を獲得して退職が確定するまでは、周囲に情報をいっさい出さないことが重要です。
現職に退職を切り出すベストなタイミングは?
引継ぎ期間を考慮すると、退職希望日の3〜6ヶ月前に切り出すのが望ましいでしょう。
退職2週間前までに切り出せば、民法上は退職が可能です。ですが、医療現場で2週間後の退職を強行すると、悪評が立つリスクがあるためおすすめできません。
引き留めによる退職日の遅延を防ぐためにも、必ず「次の職場の内定・入職時期が確定した後」に、余裕を持ったスケジュールで退職を切り出してください。
健康診断は現職のものを使える?
入職前の健康診断結果の提出は多くの場合、直近(一般的に3ヶ月〜半年以内)に現職で受けた定期健診結果のコピーで代用できます。
もし転職先から指定の項目で新たに受診を求められた場合は、現職以外の病院や健診センターで個別に受診して提出するのが、もっとも安全な方法です。
【まとめ】医師の転職活動に不安がある方は「エムステージエージェント」へ相談を

医師の転職において、応募先が本人の同意なく現職へ確認を行うことは、個人情報保護法により原則として認められていません。
リファレンスチェックも本人同意が前提であり、求められても拒否できます。
一方で、医療業界特有の人的ネットワークを通じて、非公式に情報が伝わる可能性はゼロではありません。そのため、現職に知られずに転職活動を進めるには、匿名で相談できる転職エージェントを活用するのがおすすめです。
「エムステージエージェント」では、匿名でのご相談に対応しており、現職に知られない形での求人紹介から、入職前の条件確認・交渉の代行まで、一人ひとりの状況に寄り添ってサポートします。
医師転職について不安を抱えている先生は、ぜひ以下のフォームからお気軽にご相談ください。